MODULE 01 / CLOUD FOUNDATIONS

クラウドの基本と、 責任の分担

必要なITリソースを、必要なときに使う。クラウドの利点だけでなく、障害に備える配置と、利用者が担う責任まで整理します。

6つの学習セクション図解+比較表+復習公式資料確認:2026.10.06

このModuleで学ぶこと

01オンデマンドと従量制の意味を説明する

02クラウドの6つの利点を設計に結びつける

03リージョン・AZ・データセンターを区別する

04AWSと利用者の責任の境界を理解する

01

クラウドは、 ITリソースの 使い方

クラウドコンピューティングは、ネットワーク経由でITリソースをオンデマンドに利用し、利用量などに応じて料金を支払う仕組みです。所有するハードウェアの容量から考えるのではなく、必要な処理・保存・通信から考えます。

AWSはAmazonのECサイトを支えるIT基盤の課題から生まれました。標準化したインフラを外部にも提供することで、企業はサーバーの購入や設置を待たずに、アプリケーションを動かせるようになりました。

利用者は、 サービスを選んで組み合わせるFLOW
利用者・アプリネットワーク経由で利用
AWSサービス処理・保存・通信を提供
データセンター実際のサーバーが稼働
クラウドにも物理的なサーバーはあります。図は利用の関係であり、すべての通信が公開インターネットを通るという意味ではありません。

オンデマンド

必要になったときにリソースを用意し、不要になったら削除・停止できます。事前に何年分もの設備を買う必要を減らせます。

従量制

保存量、実行時間、リクエスト数など、サービスごとの課金項目に応じて支払います。使い方と料金を一緒に見直します。

02

6つの利点を、 設計に結びつける

クラウドの価値は、料金の安さだけではありません。先行投資、需要の変化、試行錯誤、運用、展開先という異なる課題に対応できます。

AWSクラウドの6つの利点
利点 従来の課題 クラウドで変わること
固定費から変動費へ 設備を先に購入する 小さく始め、利用量に合わせて支払う
スケールメリット 小規模な設備調達は単価が高い AWSの大規模な調達・運用の効率を活用する
容量予測への依存を減らす 不足か過剰投資かを事前に決める 測定した需要に合わせて容量を調整する
スピードと俊敏性 調達・設置に時間がかかる 実験環境を素早く作り、改善を繰り返す
設備運営の負担を減らす 電源・冷却・ラック・機器を維持する 物理基盤をAWSに任せ、事業に集中する
グローバル展開 海外の設備を一から用意する 必要な地域のAWS基盤を利用する
03

障害の影響を、 配置で小さくする

リージョンはAWS基盤が置かれる地理的な領域です。各リージョンには複数のアベイラビリティーゾーン(AZ)があり、各AZには1つ以上のデータセンターがあります。AZは独立した電源やネットワークなどを持つ障害境界です。

リージョンの中にAZ、 AZの中に施設HIERARCHY

AWS Region| 地理的な領域

AZ A| 独立した 障害境界

データセンター1つ以上の施設

AZ B| 独立した 障害境界

データセンター1つ以上の施設

図では2つのAZを表示。リージョンは複数のAZで構成されます。

包含は配置の関係です。AZ間は離れて配置され、低レイテンシーのネットワークでつながります。

高可用性

サービスを利用できる時間を長く保ち、停止時間を小さくする性質です。複数のAZへの配置は、1つのAZの障害への備えになります。

耐障害性

想定した障害が発生しても動作を継続できる性質です。必要な処理・データ・通信の各層に冗長性を組み込みます。

公式資料:リージョンとAZ ↗
04

AWSと利用者、 それぞれの責任

責任共有モデルでは、AWSが「クラウド自体のセキュリティ」を、利用者が「クラウド内のセキュリティ」を担います。任せる範囲は、使うサービスによって変わります。

EC2を例に、 管理する層を分けるRESPONSIBILITY

AWSが管理する層

  • データセンターの物理的な保護
  • ハードウェア・物理ネットワーク
  • ホストOS・仮想化基盤

利用者が管理する層

  • ゲストOSの更新とパッチ
  • アプリケーションとデータ
  • 権限・通信許可・暗号化の設定
EC2の例です。S3やDynamoDBのようなサービスでは、OSや基盤の管理をさらにAWSに任せられます。

誰がどのデータにアクセスできるか、機密データをどう分類するか、暗号化をどう使うかは利用者の判断です。AWSの基盤が安全でも、過剰な権限や不適切な公開設定が自動的に解消されるわけではありません。

公式資料:責任共有モデル ↗
05

ECサイトで、 設計の判断をつなぐ

海外にも利用者がいるECサイトなら、まず顧客との距離と要件に合うリージョンを選びます。次に複数AZへ構成を分散し、需要に合う容量を用意します。注文データや管理者権限の保護も、利用者が担う設計です。

配置・容量・保護を、 別々に判断するDESIGN DECISIONS
リージョンを選ぶ顧客との距離・要件
複数AZへ配置障害時の継続を設計
必要な容量を用意需要を測って調整
データと権限を保護利用者の責任を実行
どれか1つを満たせば完成するわけではありません。配置とアクセス権は異なる設計上の判断です。
06

重要ポイントと、 理解の確認

  • クラウドは、ネットワーク経由で必要なITリソースを利用する仕組み。
  • 6つの利点は、費用・容量・試行・運用・展開の課題に対応する。
  • リージョン → AZ → データセンターという配置を区別する。
  • 複数AZと責任共有モデルを、実際の構成・設定につなげる。
Q1. クラウドを使うと、サーバーは存在しなくなる?

存在します。物理基盤をAWSが管理し、利用者はサービスを通じて使います。

Q2. 複数AZに配置すれば、何も設定せず自動復旧できる?

できません。データの複製、負荷分散、切り替え、容量などの設計が必要です。

Q3. EC2のゲストOSの更新と、データの権限管理は誰が担う?

どちらも利用者です。AWSは物理基盤や仮想化基盤を管理します。

Q4. 容量予測への依存が減っても、考えるべきことは?

現在の負荷、増減の条件、サービスの上限、起動時間、予算などです。

07

確認に使った、 公式資料

元データ:scripts/module.txt。提供されたトランスクリプトを意味のまとまりで再構成し、誤解しやすい箇所を以下のAWS公式資料で確認しました(2026年10月6日)。実際の操作・仕様・料金は最新版を確認してください。